コーヒー豆の値段の違いはどこからくるのか？１
コーヒー豆の価格差ってモノによってけっこう大きいですよね？
グラム800円前後が平均的な焙煎豆の価格かとは思いますが、最安で探せば200円くらいからありますし、ウチだとだいたい1,000〜2,000円といったところ。レアなコーヒーなら万単位のものも存在します。
もう少し身近な部分で言えば、缶コーヒーとかボトルコーヒーがなんかがわかりやすいですかね。
ダ◯ドーのデミタスコーヒーみたいな150mlくらいのショート缶のものと、Bl◯ndyみたいな900mlのボトルコーヒー。容量は６倍ですけど、販売価格はせいぜい２倍程度なのを不思議に思ったことありませんか？
こういった価格差にはいろいろな理由があるんですが、テーマを区切って解説していこうかなと思ってます。
ロブスタ種とアラビカ種
今回はコーヒー豆の「品種」という切り口から価格の違いをみていきます。
コーヒーの品種で価格に大きな影響を与えるといえば、やはりロブスタ種の存在でしょう。「ロブスタ種」とか「アラビカ種」って言葉聞いたことありませんか？
日本で流通しているコーヒー豆は大きくこの２つに分けられます。
ロブスタ種
- 苦味が強く、穀物のような香り
- アラビカ種よりも圧倒的に安い
- 豆の見た目はアラビカ種とほぼ同じ
アラビカ種
- 酸味があり、華やかでフルーティな香り
- ロブスタ種より圧倒的に高価
- 深煎りにすれば苦味は出るが、ロブスタほど重い苦味にならない
「穀物のような香り」と言ってもピンとこないかもしれませんね。90年代を生きた人にしか通じない表現かもしれませんが、いわゆる「タイ米の香り」ですwww
価格についてはだいたい10倍くらい差があります。アラビカ種で１杯分のコーヒー豆の原価が100円だったとして、ロブスタのコーヒー豆に置き換えると原価10円です。
ただし100％すべての豆をロブスタに置き換えるってことはなく（美味しくないので）、ブレンドにして原価を下げるパターンが一般的です。
豆の見た目はどちらもほぼ同じ。つまり焙煎した豆同士が混ざってしまえば見分けはつきません。
カサ増しを目的としたブレンドコーヒーに気をつけろ
コーヒー豆を混ぜ合わせたものを「ブレンドコーヒー」とひとくちに言ってしまいがちなんですが、これには２つあると思ってください。
・味を補完するためのブレンドコーヒー
単体のコーヒー豆では補いきれない味を補完して、飲みやすく調整するためにブレンドする。もしくは単一品種では得られない新しい香味の開発を目的としている。稀に苦味やコクを足すためにロブスタを混ぜることもある。
・価格を抑えるためのブレンドコーヒー
お店でよく見かけるブルーマウンテンブレンドがいい例。100％ブルマンだと高くなりすぎるので、比較的安価なアラビカ種を用いてブレンドする。いっぽうでカサ増し目的でロブスタを混ぜたブレンドコーヒーも存在する。
まぁ、価格を抑えることは必ずしも悪ではないんですが、業界的にはロブスタを混ぜて原価を薄めて暴利を貪っていた時代もあるので、いまだに「コーヒー屋＝ボロい商売」だと思っている方もいらっしゃいます。
(´Д` ) ＜ コーヒーの原価って数十円とかなんでしょ？
とか、物知り顔で言われることありますけど全然違いますからね。スペシャルティグレードの原価舐めんなって話ですよホントにもう。
とりあえず缶コーヒーやボトルコーヒーは成分表をみてください。ロブスタの配合割合が多いものはしっかり香料使ってます。
昔、みんなのランキングってサイトで缶コーヒーやボトルコーヒーをレビューしたことがありますが、ジョー◯アとか香料めちゃくちゃ使ってましたからね。
（※いまも使ってるかは知りません）
アナタがコーヒーだと思っていたその香り、本当はコーヒーのものじゃないかもしれませんよー？
まとめ
端的にかつ悪意を込めて言えば、ロブスタで水増ししてやれば原価をかなり抑えられるって話でした。
まぁ、ウチが混ぜたらソッコーバレて炎上すると思いますけどwww
「朝コーヒー無料」とか言って、客寄せしてる某ハンバーガーチェーンがありましたが、アレなんてロブスタを水で薄めたみたいな味でしたからね。広告として無料で振る舞えるくらい原価は安かったんだと思われます( ´Д`)y━･~~
それはさておき、我々コーヒー専門店と銘打っているところは悪質な混ぜ物・水増しを一切しないのが大前提です。
見た目じゃわからないからといって、安い豆を混ぜる悪徳業者も無いとは言い切れません。ゲイシャとか言っておきながらカトゥアイとか混ざってても指摘するのはなかなか難しいでしょうし。
ちなみに生豆の時点で混ぜ物がされている可能性もないとは言い切れません。トレーサビリティのしっかりした信用できる仕入先から卸すことも我々コーヒー専門店に求められる責務だと思います。
そんなワケでコーヒー豆の最終消費者である皆様はできるだけ信用のできるお店で買うようにしてください。それがもしウチであれば嬉しいって話ですね＾＾
ではでは。
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