コーヒー抽出につかうお湯、何℃で淹れてますか?
コーヒーの美味しい季節になってきましたね。
ところでコーヒーの抽出につかうお湯、何℃で淹れてますか?
( ゚д゚) < ん?熱湯を直接注いでますがなにか?
、、、って人も少なくないような気がします。「お湯=熱湯」ってのは江戸っ子の考え方ですからね(偏見です)。
まぁ、美味しければ別に何℃だろうが構わないんですが、一般論としてコーヒーの抽出につかうお湯は温度くらいがいいのかお話していきたいと思います。
飲み物によって抽出に適した温度は異なる
コーヒーに限らず紅茶とか緑茶、中国茶など、お湯で成分を抽出する飲み物はたいてい適した抽出温度というものがあります。
とはいえ、頭ごなしに「87℃で淹れろ!」とか言われても釈然としないと思うので、まず高温のお湯(90℃以上)と、低温のお湯(だいたい85℃以下)を使ったときの特性を知りましょう。
◆ 高温のお湯
抽出効率が良い(早くたくさんの成分が溶け出る)
苦味・渋みの成分が溶け出やすい
香りがたちやすい
◆ 低温のお湯
抽出効率が悪い(ゆっくりと少しずつ成分が溶け出る)
甘味・酸味の成分が溶け出やすい
「抽出効率が良い」っていうと、なんだかこっちの方が優れているように感じてしまいますが、そういうことではありません。短時間で一気に成分が抽出されるってことです。
コーヒー粉だったり、茶葉といったものには酸味や甘味以外にも苦味や渋味も含まれてます。飲み物によって取り出したい "味" が異なりますので、お湯の温度によって狙いを絞るというワケです。
一般的に紅茶や中国茶は95℃以上の高温のお湯を使います。茶葉を開かせるためといった理由もありますが、味の面でも香りを立たせ、ほどよく渋みを出したいからという理由がああります。キレのある口当たり、スッキリとした味わいが好まれます。
日本茶(主に高級茶や玉露)は70〜60℃くらいの低温でゆっくりと抽出します。時間をかけることで甘味や旨味を取り出し、できるだけ渋みや苦味を出さないようにします。
一方、同じお茶でも寿司屋で出される煎茶はかなり高い温度で抽出しています。あれは口の中に残った魚の脂を洗い流し、渋味と苦味で口のなかをスッキリさせるために敢えて高温で抽出しているそうです。
同じお茶でも種類や用途によってさまざまですね。
コーヒーに関してはどうなのか?
コーヒーの場合は焙煎度によって抽出温度を使い分けます。焙煎度によって豆の特性が変わりますし、味の狙いも変わってくるからですね。
ちなみにコーヒーの場合、粉の粒度も抽出に関わってきますが、ややこしくなるので今回はその辺の話は抜きでいきます。というわけで、以下はコーヒー豆の焙煎度ごとの狙いと特性になります。
浅煎り〜中煎り
味の狙い:香り・酸味が豊か
豆の特性:抽出効率が悪い
→ 高温で抽出しても苦味が出にくいうえに香りを立たせることもできる
中深煎り
味の狙い:甘味・酸味・コクのバランスが良い
豆の特性:抽出効率は中煎りと深煎りの中間
→ 中煎りと深煎りのあいだをとってやや低めの温度での抽出がベター
深煎り
味の狙い:甘味・苦味・コクが豊か
豆の特性:抽出効率が良い
→ 抽出効率が良いので苦味が出過ぎないように低温で時間をかけて抽出する
ちなみに「酸味」は短時間で成分のほとんどが抽出されるため、ドリップで抽出量をコントロールすることはできません。「抽出不足=酸味が強くなる」という現象は酸味の成分が多く出ているわけではなく、抽出効率が下がったことで苦味やコクが弱まり、相対的に酸味が際立った状態です。
お湯の温度と焙煎度の目安
では、具体的に焙煎度ごとの抽出温度を考えていきましょう。お湯はヤカンで火にかけて沸騰させたあと、注ぐための細口ポット(コーヒーポット)に移し替えます。
常温のポットに熱湯を注ぐと熱が奪われて、だいたい7〜8℃くらい下がります。この温度がコーヒーを入れる温度の上限だと思ってください。
下限については体感になってしまいますが、ドリップでは80℃を下回ると深煎りの豆であっても抽出不足になりがちです。中間を中深煎りとして考えるとだいたいこんな感じ。
- 92℃ - ミディアムロースト、ハイロースト(中煎り)
- 87℃ - シティロースト、フルシティロースト(中深煎り)
- 82℃ - フレンチロースト、イタリアンロースト(深煎り)
抽出効率の悪い浅めの焙煎は抽出不足になりやすいので、高い温度で抽出を促す。
抽出効率の良い深めの焙煎は過抽出になりやすいので、低い温度で抽出を抑える。
浅煎りや中煎りは酸味に軽い苦味が加わって味が引き締まりますし、深煎りは苦味の角がとれて、だいぶ飲みやすくなります。
湯温のコントロール方法について
最適なお湯の温度はわかったとして、じゃあどうやって温度をコントロールするのか?
本当は写真のような温度計があるとベストなんですが、わざわざ用意してられないって人向けに最適温度に近づける方法をまとめておきますね。
先ほど、
「常温のポットに熱湯を注ぐと熱が奪われて、だいたい7〜8℃くらい下がる」
、、、って書きましたよね。
これは他の容器を使って回数をくり返しても同じように熱が奪われます。つまり2回容器を通せば14〜16℃下がりますので、84℃くらいまで下げることができるわけです。
中煎り用の湯温調整:
ヤカン(100℃)→ コーヒーポット(92℃)
深煎り用の湯温調整:
ヤカン(100℃)→ ドリッパーを乗せたコーヒーサーバー(92℃)→ コーヒーポット(84℃)
中深煎り用の湯温調整:
① ヤカン(100℃)→ コーヒーポット半分までお湯を入れる(92℃)
② ヤカン(100℃)→ ドリッパーを乗せたコーヒーサーバー(92℃)→ ①にお湯を足す(87℃)
容器の大きさや材質、気温なんかにも多少は左右はされますが、人が快適に過ごせる部屋に置いてある常温容器であれば、だいたい同じように温度変化すると思います。抽出器具もついでに温められるので一石二鳥ですね。
中深煎り用とか、本当にこの温度になるのか怪しかったので、実際にやってみましたが、、、
想定どおり87℃で止まりました!わかってたけどなんか嬉しいw
というわけで、今回はコーヒーの抽出温度についてでした。味に関しては好みがあるのであくまで参考程度でいいと思いますが、セオリーを知っておくと応用も効きますからね。
ではでは。
0コメント