面倒だけど美味しいネルドリップのお話 ②
前回に引き続き、ネルドリップのお話です。まだ読んでない方はこちらからどうぞ。
さて買ってきたネルをコーヒーで煮て、下準備は完了!、、、というところからですね。今回は抽出と保管について解説していきます。
コーヒー粉を準備する
ペーパードリップでは中細挽き〜中挽きあたりを使いますが、ネルドリップでは中挽きを使います。要は気持ち粗めくらいの感じで良いです。
コーヒー粉の量は一人前12〜14g。
粒度を粗くすると抽出効率が落ちるので、わずかに豆を増やして補う感じですね。
抽出器具をあたためる
この辺はペーパードリップと変わらないですね。お湯の触れる抽出器具やカップは必ずお湯を通して温めておきましょう。
ネルもお湯を通して、しっかりと水気をしぼっておきます。
お湯を準備する
ペーパードリップもそうですが、お湯はたっぷり用意しましょう。
抽出に使うお湯の温度は、
- 中煎り(ミディアムロースト、ハイロースト)90℃前後
- 中深煎り(シティロースト、フルシティロースト)86℃前後
- 深煎り(フレンチロースト、イタリアンロースト)82℃前後
これはあくまで淹れ始めの湯温の目安です。まぁ、ざっくり90℃から5℃刻みくらいの感覚でもいいと思います。
序盤はとにかく丁寧に時間をかけて抽出する
序盤はしっかり時間をかけて抽出します。
点滴抽出の場合、時間をとって「蒸らし」の作業をする必要はありません。ポタポタと根気強くお湯を落とします。
お湯は粉の真ん中に落とせばOK。よく言う「の」の字に回す必要もありません。
コーヒー粉の層が厚いので、下からポタポタ落ちてくるまでにはやや時間がかかります。この落ちてくるコーヒー液がしっかりと濃いことが重要です。
見た目的には新鮮な醤油みたいな色をしています。
この時点でしっかりと旨味の詰まった、いわばコーヒーの原液を抽出するようなイメージですね。サーバーの底一面にコーヒー液が溜まったら次の段階です。
美味しいコーヒー液を洗い流すようにお湯を注ぐ
サーバーの底に濃いコーヒー液が溜まったら注湯量を少し増やします。お湯が途切れないように細く注ぎましょう。
ここからは全体に小さく回してお湯を注ぎます。粉の縁にはお湯を当てないように注意しましょう。
粉の上までお湯が滲んできたら水位をキープ。そのまま抽出予定量の一歩手前まで注ぎ、ネルにお湯が残った状態のままサーバーから外します。
ペーパードリップと同様にネルに溜まったコーヒー液の上澄みは雑味が強いので、サーバーに落とさないよう注意しましょう。
最後は味をみて微調整
サーバーに落としたコーヒー液は底のほうに美味しい濃厚なコーヒー液が溜まってます。カルピスなんかと一緒で、ちゃんと混ぜないと底のほうだけ味が濃くなっちゃいます。
そして、ちょっと飲んでみて濃度を確認します。
濃いようならお湯を直接注いで調節します。濃度のちょっとした違いで酸味や渋味の感じ方が微妙に変わってきます。
ドリップコーヒーというのは同じコーヒー豆を使っていても、粉の量や粒度、お湯の量、抽出温度、注ぐ速度など、いろいろな要素で濃度が変わってしまいます。個人的には舌を鍛えるという意味でも、日々味見をすることは重要だと思っています。
余談ですが、ネルドリップは低めの温度で長い時間かけて抽出するため、飲むときの温度はちょっとぬるめのコーヒーになります。抽出をはやめに(残り1/3くらいで)切り上げて、最後に熱湯を注いで濃度調整をすることで温度を稼ぐという手もあります。
ぬるいからと言って加熱すると味も香りも急激に劣化しますのでご注意ください。
ネルを洗って保管する
ネルは流水で洗います。
強く揉んで洗うと布のなかに微粉が入り込んでしまってニオイの元になってしまうので要注意です。実際に揉んで洗うと下の写真のようになってしまいます。
( ;´Д`) < あ、あえて悪い見本を見せただけですからねっ!
密閉容器に水を張って漬けたまま冷蔵庫へ放り込んでおけばOK。もちろん水は毎日交換してくださいね。
ネルを長期保管する
ネルしか使わないうえに毎日かならずコーヒーを飲むような人ならともかく、毎日忘れずに水を交換するのってけっこう大変なんですよねー(←ぬか漬けとかソッコーダメにする人)
たまにしか使わないなら、絞ったネルをジップロックに入れて冷凍保存という手もあります。
いずれにしても、冷蔵庫(冷凍庫)から取り出したネルはしっかり冷えてますので、お湯をかけてしっかり温めてから使うようにしましょう。
まとめ
今回はネルドリップの方法について解説いたしましたがいかがでしたでしょうか?
さんざん「面倒くさい」と言ってきただけに説得力はありませんが、生活スタイルやコーヒーを飲む頻度で面倒かどうかの感じ方は人それぞれだと思います。あまり高いものでもありませんし、特に深煎りのコーヒーが好きな方には臆せず一度試してみてほしいですね。
というわけで、コーヒーが好きな誰かの参考になれば幸いです。
ではでは。
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