今度はダブルファーメンテーション!発酵が織りなすコーヒーの新たな世界
先日、ブラジル産のコーヒー豆を販売開始しました。
「ブラジル/グアリロバ農園・トパージオ・ダブルファーメンテーション・ハニー」って品名なんですが、、、
( *`ω´) < 長いわ!
いやー、「〜ファーメンテーション」って付くと長くなっちゃうんですよね。
アナエロビックファーメンテーションなら「アナエロビック」とか「アナエロ」くらい省略しても意味が通じるような気はします。
同様にミックスファーメンテーションとかダブルファーメンテーションを省略すると「ミックス」とか「ダブル」になってしまうわけで、、、
中途半端になじみのある単語を並べると、意味不明な文字列になるというジレンマ( ;´Д`)
今後は発酵のバリエーションもどんどん増えていくでしょうし、品名表示にどう反映していくべきか悩ましい問題であります。
トパージオ種という珍しい品種
出典:毎日新聞<https://mainichi.jp/articles/20210301/k00/00m/040/115000c>
さて、今回の新商品についてですが、上の画像にもあるとおり新聞に記事が載ったこともある豆です。"幻のコーヒー豆"なんて言われちゃってますけど、それがこのトパージオ種のことですね。
この記事、以前はヤフーニュース上で無料で読めた気がするんですが、今は有料記事しか見当たらないですね。興味がある方はお金払って読んでください。
まぁ、たいしたこと書いてなかったような気がするけど( ´_ゝ`)ボソッ
さて、この「トパージオ種」ですが、名前を聞いたことある人はなかなかいないと思います。私も初めて耳にする品種なので、実はどういった特徴がある豆なのかよく知らないんですよ(^_^;)
今回の商品はスペシャルティコーヒーらしい個性的な香りと味わいが際立っているんですが、これがトパージオ種という豆の品種によるものなのか、ダブルファーメンテーションという発酵工程によるものなのか判断つかないというのが正直なところです。
ダブルファーメンテーションとはなんぞや?
出典:Mirai seeds<https://www.miraiseeds.com>
品種についてはよくわからないので、さっさと飛ばして発酵について解説しましょう。品名にもある "ダブルファーメンテーション" の部分です。
「ダブルファーメンテーション」というのは2回の嫌気性発酵を行なった豆ということです。
嫌気性発酵というのは、直訳すればとどのつまりアナエロビック・ファーメンテーションのことです。アナエロビックについては過去に記事を書いたので詳しくはそっちを参照してください
要するに密閉タンクにコーヒーチェリーの果肉を剥いたもの(パーチメントコーヒー)と、水や他の豆から採取したミューシレージなんかを投入して発酵させたのがアナエロビック・ファーメンテーションです。
嫌気性の菌による発酵と、タンク内圧の上昇によって成分が浸透しやすくなり、通常の精製処理ではだせない独特かつ強い風味が生まれます。
これを2回もやっているということですね。
だからといってアナエロビックの風味特性(いわゆるシナモンフレーバー)を単純にブーストした感じにはならないのが発酵の不思議だったりします。
グアリロバ農園のダブルファーメンテーションでは発酵にコーヒーチェリー表面の微生物を使用しているらしく、1回目の発酵では乳酸菌、2回目で発芽酵母を使っているのだとか。
・・・ ( ´Д`)y━・~~
まぁ、今この記事を読んでる9割くらいの人がよくわかってないと思いますけど、肝心なのは実際の香りと味なので、
(・Д・) < よーわからんけど手間かかってるのネー
くらいに感じていただければ十分です。
肝心の味について
この豆は生豆の時点で、ものすごく清々しい香りがします。春摘み(ファーストフラッシュ)のダージリンティーの茶葉を直接嗅いだときのような感じ。
他に例えるなら、青草とかバジルとかそういったグリニッシュな香りです。
生豆の香りというのは焙煎したあとのコーヒー豆にも反映されるので、強めのいい香りがすると期待値がグンと上がります!
まぁ、そうは言っても、普通は焙煎を進めると個性はだいぶ薄れるものなんですが、、、
( ;´Д`) < 深煎りにしてもぜんぜん消えねぇ
浅煎りならともかく、深煎りでも個性が消えないなんてことあるんですね。あー、でもアナエロビックとかの超個性的な豆を深煎りになんてフツーはしないからなぁ。
浅めの焙煎ならそのまんまバジルのようなハーブ系の爽やかな香り。
深煎りになるとフレッシュさが抑えられて、乾燥ローリエとかクローブみたいなスパイスのイメージに近づいていく感じですかね。
インドネシアのマンデリンなんかに傾向が似てますね。
マンデリンというと深煎りの代名詞みたいな豆ですけど、実は浅めに焙煎するとけっこうハーブっぽい香りになります。その風味をもっと強烈にしたような感じです。
味はサッパリしていて、果実感は少なめ。しいて言えば柑橘っぽさを少し感じます。
酸味に関してはブラジルらしく弱めです。標高低めの土地で育った豆というのは、浅めに焙煎しても酸味があまり前にでてきませんから、酸味が苦手な人でも飲みやすいかもしれません。
あと、特筆すべきは旨味の強さですね。個性的な香りに気をとられて見過ごしてしまいがちなんですが、冷めてくると香りが落ち着いてくるのと対照的に旨味を強く感じるようになります。
焙煎について
今回、これは悩みました。
風味の面白さや酸味とのバランスで言えばミディアムロースト(中煎り)くらいがベストなんですが、フレンチロースト(深煎り)にしてもしっかり個性が残る豆というのは他にはなかなか無いですからね。
しかも深煎りの場合、ミルクとの相性も重要な部分なんですが、これが思ったより悪くないんですよ。
カフェラテにしてもミルクに負けない強さがあって、コーヒーの味の輪郭がしっかりと残ります。それでいながら特徴的だったはずのハーブ感がかなり薄れます。
飲み込んだあとにアフターテイストとしてハーブっぽい香りが少し残りますけど、案外悪くないのでこれも特徴のひとつとして愉しんでいただけたらいいかなと。
というわけで、今回は
ミディアムロースト(中煎り)
フレンチロースト(深煎り)
両方で提供することにしました!
販売方法がややこしくなるんで、あまりイレギュラーなことはしたくないんですが、デカフェで同じことやってますし、まぁいいかなと( ´Д`)y━・~~
こんな人にオススメ
まず、ミディアムロースト(中煎り)ですが、完全にブラックで飲む人向けです。
フードとの相性ですが、パンとかサンドイッチみたいな軽食にはよく合います。なので「朝食で必ずコーヒー飲む」なんて人にオススメです。
あとはサッパリした口当たりなので、食後のコーヒーとか、仕事中のコーヒーとか、コーヒー単体で飲むのも良いと思います。
逆に合わないものですが、果物を使ったスイーツとは相性が悪い気がしますね。フルーツタルトとかだとやはり風味が邪魔します。
一方、フレンチロースト(深煎り)ですが、こっちは基本的にカフェラテ・カフェオレ用ですね。
ブラックでも良いですが、酸味がどうしても苦手って人とか、軽いコーヒーより重苦いコーヒーが好きって人向きですかね。
まとめ
強い個性を持ったコーヒーということで当初は好みが大きく分かれるような気がしていたんですが、知り合いに配って感想を求めたら良い反応が大多数だったのは意外でした。
風味の違いを感じやすい豆ですので、「コーヒーの味の違いがよくわからない!」なんて人にもぜひ愉しんでいただきたい一品です。
あと最後にお値段ですが、
なんと破格の1,700円(200g)!
ブラジル産のコーヒー豆ってスペシャルティグレードであっても比較的お求めやすい価格のものが多いので、「破格」は言い過ぎな気がしますけど、発酵処理にひと手間入ってて、かつ珍しい品種ですからね。
風味特性の明瞭さとかクオリティの面から考えるとお買い得なコーヒー豆のような気がします。自分で言うのもナンですけど(〃ω〃)
というわけで、気になる方はぜひ試してみてくださいね。
ではでは。
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